2022年度日本教育メディア学会第29回年次大会にあたってのご挨拶
年次大会実行委員長 亀井美穂子(椙山女学園大学)
第29回日本教育メディア学会年次大会を、2022年11月26日(土)、27日(日)に椙山(すぎやま)女学園大学を会場とし、開催することになりました。
日本教育メディア学会は、2020年度以降、新型コロナウイルス感染症拡大に影響を受けてきましたが、年次大会、研究会ともに、オンライン開催で欠かすことなく開催されてきました。この間、オンラインでの研究発表や議論も活発に行われ、またオンラインでの運営ノウハウもより洗練されてきたことと存じます。
以前にも増して教育メディアは、初等教育から高等教育、また企業、地域や家庭など、認知され、活用され、研究されるようになっています。このような中で本年次大会では、より広範な領域、場面における教育メディア研究の成果を共有し、議論を通して、豊かな学びと社会を築ける場を、皆様とともに創りたいと存じます。
2020年度に研究会会場予定だった椙山女学園大学ですが、今回の年次大会こそ、現地で開催し、対面で研究成果を共有したいと考えております。会場は、名古屋駅から地下鉄で約30分と比較的アクセスしやすい場所にございます。大会実行委員会一同、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
発表集録を公開しました。ダウンロードはこちら
1.大会プログラム
- 1日目 11/26(土)
午前:理事会
13:00〜13:50 総会
14:00〜14:50 大会企画
15:00〜17:00 シンポジウム
- 2日目 11/27(日)
9:30〜11:30 一般研究発表(1),企画委員会特別セッション
11:30〜12:30 昼食
12:30〜14:30 課題研究
14:40〜16:40 一般研究発表(2)
2. 一般発表プログラム
プログラムは こちら
3. 参加費・参加申込について
以下のURLから、参加申し込みを行ってください。参加申込、支払い、領収書発行等を行うことができます。11月19日までの事前支払いと、当日支払い(Peatixに限る)に対応します。https://peatix.com/event/3292127/
参加費は,以下のとおりです。
会員 3,000 円(事前),4,000 円(当日)
学生会員 1,000 円(事前),2,000 円(当日)
非会員 4,000 円(事前),5,000 円(当日)
※ただし,非会員の現職教員は無料
学生非会員 2,000 円(事前),3,000 円(当日)
4.大会企画
「インフォーマルラーニングにおけるICT利活用」
(登壇者)
山口情報芸術センター 会田大也
せんだいメディアテーク 小川直人
対談者:北海道教育大学 山口好和、椙山女学園大学 宮下十有
コーディネータ:椙山女学園大学 亀井美穂子
これまでも社会教育施設等や地域コミュニティの中で、ICTの利活用は進められてきましたが、コロナ禍を経て、ICTの利活用はより幅広い年代により身近になってきている。インフォーマルラーニングを支援するICT活用の可能性、実践のデザインについて知見を共有し、議論したい。
5.シンポジウム
シンポジウム・テーマ「GIGAスクール構想における教育データの活用」
GIGAスクール構想でその活用が進む一人一台の情報端末。活用の情報共有から教育データの利活用にも発展している。そこで、情報教育に関連する企業により、これからの教育データの利活用について議論したい。
(登壇者)
コニカミノルタ㈱ 石黒 広信
「MEXCBTの活用を目前に、教育データによる個別最適化された学びと授業改善への試み」
シャープマーケティングジャパン㈱ 伊藤 浩
「教育データの利活用による、誰一人取り残すことのない学びへ」
東京書籍㈱ 清遠 和弘
「デジタル教科書の学習履歴データ活用の課題と展望」
日本マイクロソフト㈱ 佐藤 正浩
「教育データ活用の最前線!~日常遣いのなかですぐに始められるデータの活用から個別最適のための高度な分析・見える化まで~」
コーディネータ:園田学園女子大学 堀田博史
6.課題研究プログラム
1) 映像コンテンツを活用したSDGs教育
岸磨貴子(明治大学),久保田賢一(NPO法人 学習創造フォーラム)
ウクライナ情勢をはじめ、グローバルな問題に関心が高まっている。社会の問題について関心をもったり、働きかけたりすることがますます重要になり、SDGs教育への関心も高い。NHK for Schoolなどの映像コンテンツ、現地から発信されるSNSなどを通した映像コンテンツは、社会のさまざまな問題を多角的に考えるきっかけとなりうる。そこで、映像コンテンツを活用してどのようなSDGs教育が実践できるのか、実践されているのか、課題は何かを議論したい。
2) 児童生徒1人1台の情報端末の活用とメディア・リテラシーの実践
佐藤和紀(信州大学),宇治橋祐之(NHK放送文化研究所)
GIGAスクール構想に伴い、児童生徒1人1台の情報端末、高速インターネット、学習支援システムなどが学校現場に整備された。学習者が「意図をもって構成されたメディア」に主体的にアクセスして学ぶ機会は増えると考えられる。また、得られた情報や自分の考えについてメディアを通じて表現・発信して学ぶ機会も増加すると考える。さらに、家庭に端末を持ち帰り利用することを機に、家庭でのメディア・リテラシー育成のあり方も検討していく必要がある。こうした状況において求められるメディア・リテラシーに関する教育と実践について議論したい。
3) GIGAスクール時代の情報活用能力
小林祐紀(茨城大学),稲垣忠(東北学院大学)
小学校・中学校そして高等学校においても1人1台端末及び高速大容量のネットワーク等が整備され、補正予算においては教師用端末の整備も進められることになった。そして学習指導要領は、各校種において、いよいよ全面実施となり、高等学校では情報Ⅰが始まる。学習指導要領が要請する学びの探究化やSTEAM化において、情報活用能力は今まで以上に重要な役割を担うことになるのは明確である。しかしながら学校現場を概観すると、ICT活用が未だ目的的となっている現状が見受けられる。こうした状況において、情報活用能力に関する教育や実践の在り方について広く議論したい。
4) 情報通信技術を活用した教育の理論及び方法への取り組み
小柳和喜雄(関西大学),山本朋弘(中村学園大学)
これまでの教職科目「教育の方法及び技術」と関わって、新たに「情報通信技術を活用した教育の理論及び方法」の1単位以上の修得を求められたことについて、教員養成、教職課程を持つ大学では対応を求められた。この2022年4月より、皆さんはどのように対応されているのか、どのような内容や方法が工夫されているかについて、情報の共有と研究知見の集積を学会として取り扱い議論したい。
課題研究プログラムは こちら
7.企画委員会特別セッションhttps://archive.jaems.jp/kikaku/2022specialsession
「現職教員のための実践研究はじめの一歩」 企画委員会では一般研究発表(1)に並行して、実践研究に興味のある現職教員向けの特別セッションを開催いたします。現職教員が実践研究を進める事例の紹介や、実践研究の進め方の解説、参加者の意見交換などを予定しております。詳細は、特別セッションの案内ページをご覧ください。