2013年度ワークショップ

12月21日土曜日,(株)内田洋行・新川本社新川第二オフィスにて,27名の参加者のもと「子ども(幼児・小学校低学年)向けメディア教材を用いた思考をはぐくむ学びと遊びのデザイン」と題した講演およびワークショップを開催しました。

20131221-1今回は,幼児向けのメディア教材のデザインは,小学生向けのデザインと共通している部分が多々あると考え,デザインの原理や子どもに好まれる工夫などを共有しようと企画しました。
登壇者には,「がちゃぴんムック」「しまじろう」など幼児教育の教材開発に携わっておられるチャイルド・ラボ所長の沢井佳子氏,「ポンキッキ」「からだであそぼ」「みいつけた!」等のディレクターであり,フジテレビキッズ子育て支援事業プロデューサーの森田倫代氏,「ピッケのつくるえほん」「ピッケのつくるプレゼンテーション」などの幼児・小学生向けソフトウエアを開発されている(株)グッド・グリーフ代表の朝倉民枝氏をお招きしました。

 沢井佳子氏からは,思考をはぐくむ遊びのデザイン要素や子どもにかかわる論理の基礎について詳細にご説明いただきました。また,「視聴覚教育メディアや教具設計において幼児の認知発達の何に留意すればよいのか?」では,表象能力を中心に,短期記憶・言語発達・動作の巧緻性,美しさの感覚,ユーモア面白さ,大人との相互作用,をあげられました。
朝倉民枝氏からは,ソフトウエア開発で気を付けたこととして「共有世界を大事に育てる,まっすぐ育てる,情報量を絞りわかりやすく」の3点をあげられました。子どもの生来の力を信じ,それを引き出す工夫が大切であるとお話がありました。

森田倫代氏には「ドラマ手法を使ったコミュニケーションワークショップ」を実施いただきました。学校現場ですぐにでも活用できるように,クラスやグループのコミュニケーションが自然と取りやすくなる事例をご紹介いただいた後に,昔話「桃太郎」の一場面をドラマ風に演じ,コミュニケーションがさらに活発になることを実感しました。
メディア教材のデザインにおいて,幼児教育と小学校教育の間で共通する点を確認できたことが成果でした。ほとんどの参加者が懇親会にも参加され,実り大きい研究会となりました。今後もこのような企画を開催していきたいと思っております。
(文責:堀田博史)